働き者の母ちゃんへ

今日のブログも投稿したし、もう寝ようかなと思ったが、ふと、母親のことを考えたので、記録に残そうと思う。

俺の母はいつ見ても働いてる。

何をしてるかと言うと、家の掃除や整理整頓。趣味も何も無し。いや、掃除が趣味なのか?一回聞いたことがあった。

「趣味がないなら、掃除が楽しくて趣味なの?」

母は「楽しいわけないやろ、掃除する人が他にいないからしてるだけや」

驚愕の答えだ。自分の人生の時間をかけて、誰にも強制されてないのに、毎日毎日、家を綺麗に掃除してそれで人生を終わろうとしてるのだ。

さらに毎朝5時に起きて、仏壇に父親や俺の事はもちろん、離れた所に住んでる兄や親戚、もう離れて別の戸籍になってしまった孫のことまで、みんなの健康と幸せを、仏壇で拝んでると言うのだ。

なんだ、この生き物は?

生き仏か?

父親は酒とパチンコが好きで、映画も好きで、俗にまみれて人間らしい人だが、母親はなんの為に生まれて来たんだと思ってしまう…

そんな働き者な人に俺は本当に迷惑をかけた。書いてないとんでもない失敗もした。母親も父親も両方泣かせたこともあった。今は毎日普通に会話してるが、高校生の時は、ほぼ3年間まったく2人と話さなかった。

小学生の遠足で、他の人が綺麗で美味しそうなサンドウィッチをお弁当に持って来てるのが羨ましくて「僕もサンドウィッチを持って行きたい!」とだだをこねた。

すると母親はネットもない状況だから、自分の思う、母親なりのサンドウィッチを作ってくれた。タマゴサンドなどは友達のと全然違ってた。当たり前だ、ネットで調べることも出来ず、母親は人生で初めて俺の為にサンドウィッチを作ったのだ。

それは俺の思ってるサンドウィッチではなかった。それを見て、俺は、

「こんなの持って行ったら恥ずかしいから、オニギリでいい」

こう言ってしまった。なんというクソガキか!サンドウィッチなんて、作ったことない田舎の母親が、俺の為に早起きして作ってくれたのに、言ったらダメな言葉を狙いすましてピンポイントで発しやがった。

母親は怒りもせずに、オニギリに作り直してくれた。

高校の修学旅行の時もそうだ。クラスのちょっと悪そうな男子が、革靴を履くようになってて、俺もそれに密かに憧れていた。普段はまったく話さないくせして、俺は「革靴がほしい」そう母親に言った。

母親は街に出て、修学旅行用にピカピカの革靴を買って来てくれたんだが、つま先が尖ってた。

これは他の男子たちが履いてる革靴とは違う。俺はこれに猛烈に抗議した。丸いつま先の革靴がいいと。こんな下らないこだわりを、まるで生き死にがかかってるかのように文句を言った。

そして、今度は自分が母親と街に行って、自分好みの革靴を買ってもらったのだ。

ならば、最初から自分で行けよ!と今ならば本当に心から思う。

こんな下らないことから、人生を揺るがす失敗に至るまで、本当にありとあらゆる迷惑を母親にはかけた。

その母親も、近い将来、必ず旅立つ。

いつもの俺は自分を卑下して、自分を悪く書くが、今日は違う。

いろいろ迷惑をかけたが、あなたのような素晴らしい母親から生まれた子供が悪い心の子供なわけはない。

あなたは素晴らしい人間を生んで、育てあげた。

だから、安心して旅立ってほしい。

これは予行練習の言葉だ。

 

 本当のサヨナラの時は、また改めて感謝を書きます。