理想の心変わり


昨日は母親の車を借りて、また事故の後処理に向かった。その帰りにセルフのガソリンスタンドでガソリンを入れてたのだが、旦那さんと思われる男性が奥さんらしき女性に向かって

 

「お前は何回言っても分からんな!そこにカード入れるんや!バカなんか?」

 

その後も他人の俺が聞いても聞くに耐えない言葉の数々を奥さんに浴びせてる。奥さんの表情をチラリと見るとまさに「無」

 

ただの無表情ではない、顔の真ん中に、

「無」

という漢字が書いてあるかのような、無表情だった。

 

人が周りにいるガソリンスタンドで、この態度ならば家の中では、さらにどんな扱いしてるのか?と考えると本当に恐ろしく、奥さんが本当に不憫だ。

あの無表情は、長年口論したり抗った末の無表情なんだろうな。

こう書くと「俺は女性の味方だ!」と良いカッコして書いてると思われるだろうが、俺は両方体験してるから、少なくとも両方の気持ちが分かる…はず?

ここまで酷い言葉を相手に言ったことは無いが、本当に大事にしなけらばならない人の心を、あまり気にしない日々を続けた結果、その人は突然俺の前から消えた。

 

本当に突然だった。前日に喧嘩したとか口論も無しの突然の失踪だった。

 

俺は彼女の抱えてる不満とか不安をまったく知ろうとしてなかった。何も言わないから、何も不満がないと思ってたのだ。

いや、違う。不安や不満を自分から知ろうとしなかった。見ようとしなかっただけだ。ちゃんと普段から気にかけてたら絶対に気付いてた。ちゃんといなくなるサインは出てたはずなのだ。

俺が最初からこんな無神経な人間だったら、それはしょうがないと言えるかも知れないが、付き合う前は絶対に一生懸命だった。彼女の気持ちを自分に振り向かせようと、彼女の心のサインを見逃すまいと、必死に心を見ようとしたからこそ二人は一緒に過ごすことになったのだ。

長く一緒にいることで、俺が慣れてしまった。他人の若い女性が自分の大事な時間を俺の為に使ってくれてる奇跡を、俺は当たり前のことと慣れてしまってたのだ。

 

だから、一緒にいてくれることへの感謝も忘れ、彼女の心の変化を知ろうともしないで、自分勝手に過ごしてしまった罰が突然訪れてしまった…

 

そして、彼女が突然消えた後に必死に謝罪して許しを請うたが、もう彼女の心は俺の元には戻っては来なかった。

お金や身分や、世の中でみんなが求める高価な物より俺にとっては遥かに大事な人の心が壊れてしまい、

 

「あなたはもういらない」

 

と宣言されてしまった。

 

俺はこの出来事があってから、もう二度とこんな思いはしたくないと思い、次出会う人の心は絶対に壊さないようにと、相手の要求を過剰なほど聞くようにした結果、次の女性から激烈なほどのモラハラを長年受けて、今度は俺の方が全財産を失い心も壊れて本当の無一文となる経験もした。

この二人の女性の゙中間のちょうどよいバランスの付き合い方ならば良かったのだろうが、なかなか人生はうまくいかん。

だから俺は、相手の心を雑に扱った経験もあるし、逆に激しいモラハラも受けた経験があるから、両方の気持ちが分かると書いたのだ。

 


その俺から見ると、ガソリンスタンドでの夫婦の会話を聞くと奥さんの気持ちが本当に手に取るように分かる。奥さんはもう耐えるしかないという諦めの顔だったように思う。

しかし、機会があれば、この旦那さんをアッサリと捨てると思う。もう、この奥さんの心には旦那さんへの愛情や尊敬の心は一切無いだろう。あんな酷い言葉を人前で言うような人間は絶対に家ではもっと酷い言葉を言ってるはずだから。

いや、もしかしたらツンデレで家の中では良い夫なのか?しかし、もしそうならば奥さんの無言での、あの無表情はないだろう…

この旦那さんも、奥さんと出会った当初からこんな態度ならばまだ筋は通ってる。そして奥さんも自分に対して暴言を言うような態度の男性を選んで結婚したわけだから奥さんにも責任がある。しかし、こんな態度の男性を絶対に結婚相手に選ぶわけはないから、この旦那さんは途中で結婚してくれた奥さんのありがたさに慣れてしまった。一緒にいて夫婦なのが当然だと思ってしまった。

 

感謝も忘れ一緒にいて当然だと思う驕りの心が、あの酷い言動を生んだのだと思う。

 

相手を力で打ちのめした後に待ってるのは、相手の服從では決してない。

それは口論してもしょうがないという奥さんの諦めの表情であり、もしかしたら、その心はいつしか旦那さんへの恨みに変わってるかも知れない。

 

だから、相手を力で捻じ伏せるのではなく、相手の気持ちや意見も尊重しながら、お互いの妥協点を探す。これが相手と共存する唯一の手段だとは思うが、これが簡単に出来たら戦争なんて起こるわけはないから、この方法は理想論でしかないのかも知れない。

 

力で捻じ伏せても結局は何も解決しないし、遺恨しか産まないのである。

 

俺は人の心が変わるのは、しょうがないと思う。だから付き合う前の相手を大事に思う心を忘れてしまうのも、しょうがない。しかし、それを自覚しながら二人で一緒に良い方の心に変わっていくことは絶対に努力出来るはずだ。

そんな事を考えながら思い出すのは、知ってる人は多いかも知れないが、芸人の藤井隆さんがタレントの乙葉さんにしたプロポーズの言葉だ。この二人は今でもラブラブなおしどり夫婦だ。こんな二人ならば、この先もきっと軌道修正しながら、仲良くやっていくのだと思う。その素敵な藤井隆さんのプロポーズとは、

 

 

実はプロポーズは藤井隆さんからではなく、乙葉さんからの逆プロポーズだった。

 

 

乙葉 「私、藤井さんと結婚したいな…」

 

 

藤井隆 「今お互いが忙しくなっているから気持ちが変わるかも知れない。だから、もし1年経ってもお互いの気持ちが変わっていなかったら僕からプロポーズさせて下さい」

 

 

 

〜1年後〜

 

 

 

乙葉 「私は1年前と気持ちが変わっていません。藤井さんは…?」

 


藤井隆 「僕の気持ちは変わってしまいました」

 

 

乙葉さんは藤井隆さんから、この言葉を聞いて悲しい表情をしてしまった。しかし、その後に藤井隆さんは片膝をついて、

 

 

 

藤井隆 「僕は1年前よりもっと、好きになってしまいました」

 

 

 

なんと素晴らしい心変わりなんだろう。このプロポーズの言葉を最初に知った時も感動したが、今になって改めて調べてみても、感動して目に涙が浮かぶ。

こんな記事を書きながら、今のネット記事を見てると、合コンや女遊びを昔からしてた芸人の話の中で、藤井隆だけはまったく遊ばなかったとの話が出てたから、やはりこの人は昔からこうなんだと納得してしまった。

 

 

人の気持ちは変わるのはしょうがないが、せめて良い方に変わるように、一緒にいる人との意思疎通は常にしながら共同生活をして行かねばならんと思う。

 

 

まぁ、普段から両親以外とはほとんど喋ってない俺から言われても説得力はないとは思うけどね……