今は優しさでしか上書き出来ない


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YouTubeで猫の動画を見てたら思い出した。

 

昔は実家では猫しか飼ってなかったけど、茶色の毛色のアカの最後は覚えてるけど、毛色が白いシロの最後は覚えてない。なので、さっき母親にシロの最後はどうなったか聞いてみた。

 

「ばぁちゃんたちが下の家に引っ越して来た時にシロも一緒に連れて来たけど、しばらくして姿を見なくなったよ」

 

そんな事を言っていた。

 

俺は消息不明の時期が10年はあったから、その間に実家で起こった事は何も知らない。

 

しかし、俺は本当に昔のことを忘れてしまった。まだ頭はボケてはないが、小学校時代の事も中学校時代の事も、高校時代もほとんどの事を忘れてしまった。

 

だから、過去記事に書いてる以外の事は意識して思い出さないと、ほとんど覚えてない。

 

小学校時代の事を思い出そうと思って念じて思い出してみたら、パッと頭に浮かぶのはサッカーをしてる自分の姿を思い出す。後は一輪車に乗ってる姿も思い出すなぁ。みんな最初はまったく一輪車に乗れなかったんだよな。でも、1人上手い男の子がいて、俺は乗れないのが悔しくて、放課後遅くまで一輪車に乗れるように特訓してたっけ。

 

小学校から家まで4キロ以上の距離はあったから、そこを毎日歩いて帰ってた。

 

その頃はまだ小学生はたくさんいたんだけど、今は昼間に車で走ってても、子供の姿はまったく見なくなってしまった。

 

中学校のバスが来るバス停の近くにある駐輪場にも自転車が1台も止まってない。俺が中学校に行ってた時は思い出すだけでも、5人ぐらいは中学生はいたんだが…

 

まさに滅びゆく町そのものだ。

 

俺の実家の周りにも、半径1キロ以内に10人も人が住んでいない。もちろん、子供は誰一人としていない。

 

1人の特殊部隊の兵隊さんがこの地に舞い降りたら、あっという間にこの辺りは制圧されるだろう。実家は夜になると両親がいる家には鍵をかけるが、俺の住んでる家には鍵はかけない。

 

もう、漫画のファブルの世界の殺し屋が来たら、我が家族は瞬殺や。瞬きする間もないほどに一瞬だ。

 

いや、こんな今の現実はいいんだ、昔の楽しい思い出を思い出そう。

 

そう思っても思い出すのは辛い思い出ばかり…

 

その中でも、4年ぐらい前は本当に毎日が地獄のようだった。

 

「すいません、ごめんなさい…」

 

この言葉を1日平均で何回言ったか分からない。普通の人の一生に言う謝罪の言葉の10倍以上は言ってたかも知れない。

 

間違いなく、普通の人が1日で言うであろう「あの」という日本語より、俺の1日で言う謝罪の言葉の方が多かったと思う。それほど毎日謝っていた。

 

「ごめんなさい、ごめんなさいって謝りすぎてて言葉に重みがない!」

 

その当時に一緒にいた女性から、こんな風に怒られると、

 

「重みのない、ごめんなさいを言ってしまい本当にごめんなさい…」

 

まさにコントだ。しかし、俺は大真面目なのだ。もうモラハラを長年受け過ぎて、正常な判断が出来ないほどに精神が追い詰められていた。

 

そんな扱いを受けるぐらいなら、逃げればいいじゃないか?

 

そんな風に他人には思われるとは思うが、実家の住所も当然のごとく相手にバレてたし、冗談だろうけど、

 

「夜中に実家に火をつけることも出来るよ…」

 

こんな事も言われた。俺は母親に注意喚起として「何をするか分からない女性だから気を付けて!」

 

そう言ったら、母親は夜に家の鍵をかけるようになったのだ。前までは家の鍵なんてかけない家だったのに…

 

しまった……楽しい事を思い出そうとしたけど、こんな悲しい思い出ばかりを思い出す。小さい時の楽しい思い出はほとんど覚えてないのに、思い出すのは助けようとしてた女性との辛い日々の思い出ばかりだ。

 

全てを失って、新たな人間関係もないから、俺の人生は楽しい思い出で辛い思い出を上書き出来ない毎日となってる。

 

この俺の心は一体どこに行くのだろう?

 

ずっと辛い思い出ばかりを思い出して過ごさねばならんのか。

 

だから、今の俺に優しくしてくれる人には俺の出来る精一杯の優しさを返したいと思ってる。

 

もうお金を出して人を助けるようなことは出来ないけど、今の俺に優しくしてくれる人に俺が今出来ることは、誰よりも味方の言葉を添えて、そして辛い思いをしてる人には労りと優しい心で寄り添う事が出来る。

 

今の俺は楽しい思い出で辛い思い出を上書き出来ないから、人への優しさで辛い思い出を上書き出来ると思いたい。

 

 

そう思えるだけでも、文章を書いてきた意味があった。