汚く生きてきた


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いつも好きな女性にフラレてばかりの話を書いてたが、俺にも女性をフッた過去があったのを書き忘れていた!

 

ちょっと前に、このままの俺では愛されないと書いたばかりだったが、このままの俺を激しく愛してくれた女性がいたのだ。

 

これは本当に俺が悪かった。本当に好きで付き合った人ではなかったからだ。相手から好きだと言われて相手の感情に流されるままの付き合いだった。

 

しかし、有り難いことに相手の女性は俺に真剣に恋してくれたのだ。今なら分る、人に真剣に思われることは本当に有り難いことだ。

 

女性の若い時間は本当に光り輝くダイヤモンドのような貴重な時間だ。

 

女性とは真剣に好きじゃないと付き合ってはならないと思う。相手も適当な思いならば、軽い付き合いでもいいとは思うが、その時の相手の女性は俺の事を真剣に思ってくれてた。

 

しかし、その思いが本当に巨大だった。

 

そして、何と言っても絶望的に口が軽かった。

 

社内恋愛だったのだが、会社の同僚の年上の女性たちに全てを話すのだ。昨日作った料理から、どんな会話したとか、本当の2人のプライベートの言ってはいけないことまでも…

 

料理の食材もどこのスーパーで買って、値段はいくらで、料理の残りはサランラップして冷蔵庫に保存したとかまで社内に知れ渡っていた。

 

まるでテレビで密着されてる大家族のドキュメンタリーみたいに社内に筒抜けである。本人は相談してるだけと言ってたが、相談してる年上のお姉様の中に暴露系YouTuberみたいな人がいて社内に随時情報発信していたのである。

 

その人から伝わった情報を知った、普段まったく話さない人からも、朝の挨拶が「昨日はお楽しみでしたね、ムフフ…」

 

と、言われた時に本当に彼女との別れを決意した。

 

しかし、この彼女に悪気はないのである。有り難いことに俺と付き合ってる事が嬉しくて仕方ないみたいだった。だから人に聞かれたらなんでも話してしまうのだ。

 

そして、もっと俺を喜ばせたいからと複数の人に相談してしまった結果がこれだった。

 

これが、俺が本気で好きで付き合った相手だったら乗り越えられた試練だったと思う。他人は関係ないのだ。2人が幸せならば、それが一番いいのだから…

 

しかし、俺は最初から相手の気持ちに流されての付き合いだったから、この状況まで来た時に、このまま付き合って行くことは出来ないと決断した。

 

あまりにも遅い決断だったと思う。

 

しかし、心を鬼にして彼女に別れを切り出したら、

 

「別れるなら死ぬ!!」

 

そう言って、当時の部屋のベランダから突然飛び降りようとしたのだ。

 

当時住んでたのは、2階建てのコーポの2階の部屋だったから、例え飛び降りても死なないとは思ったが、怪我はするから必死に床に押さえつけて止めた。しかし、激しく暴れて号泣するのだ。

 

もう涙が枯れ果てるほどの号泣だった。20歳を超えた大人がまるで子供のように泣きじゃくっていた。そして泣きすぎて過呼吸にもなってた。

 

ちょっとでも手を話すとベランダから飛び降りようとするから、手を外すことも出来ずに何十分も時間が経過した。

 

俺は心底驚いた。

 

こんなに思われてたのかと…

 

それと同時に俺はなんと卑怯で汚い男なんだと思った。

 

この人との付き合いは本当に自分が何も努力しなくてよかった。仕事が終わったら、彼女はスーパーに行って食材を買い込み、そして毎日ご飯を作ってくれる。部屋の掃除もしてくれて、何より俺の事を毎日のように好きと言ってくれるのだ。

 

混じり気のないストレートな愛情表現。

 

俺は自分が好きな人にこんなに真っ直ぐに思いを伝えたことはない。

 

いつも歪んだ愛だ。壁から隠れてコッソリ相手を見るような愛の伝え方、相手に思いが伝わったらラッキー!そんな、おみくじの結果が大吉が出たらいいな!的な神頼みのような愛情表現だ。

 

だから驚愕した。こんなに人に愛を真っ直ぐに伝える人がいるのか?

 

俺はこんなに愛されてたのかと…

 

俺は好きな人からは雑に扱われる人生だったのに、この女性には激しく愛された。しかし、俺はこの人を本気で好きではなかった。

 

学生の時の本気で好きな人には3年間片思いで相手にされるどころか、その人にイジメの標的にされ、社会人となって最初に好きになった人は、俺がその人との恋の相談をしてた男の先輩と陰で付き合ってて、俺はとんだピエロだったりした。

 

俺が本気で好きになった人には雑に扱われるのに、俺が本気で好きでない人には愛される……なんでこんなに上手くいかないんだ?

 

俺はもう1人では解決出来ないと思って、隙を見て上司の人に電話した。

 

「すいません、助けて下さい!」

 

一瞬の隙を見て上司に電話してたら、彼女が再度暴れ出したので、これだけしか言えず電話を切った。しばらくして、慌てて上司の人が部屋まで駆け付けて来てくれて、この女性を説得してくれた。それでも納得しないから、この女性の友人も来てくれて、そこでやっと落ち着いて帰って行った。

 

俺はもう会社を辞めることを覚悟した。

 

しかし、彼女の方が先に会社を辞めて去って行った。

 

良くも悪くも、俺は人に真っ直ぐに思いを伝える大切さを、この女性に教えてもらった。

 

あまりにも、しつこい愛情表現は犯罪にもなりかねないが、しかし、多くの人は恥ずかしさや自分が傷付くのを恐れ、自分を着飾り言葉もオブラートに包んで自分の気持ちを相手に伝えることがほとんどではないだろうか?

 

俺は本当に卑怯で汚く、流されるままに女性の大事な時間と気持ちを踏みにじってしまった…

 

しかし、人間には間違いも絶対にあるから、間違った付き合いに早くに気付いたなら、早急に付き合いを止めるべきだった。時間は有限だから、若い女性の時間を例え1秒でも無駄にしてはならなかった。

 

俺はこんなにも卑怯で汚く生きて来たから、本当に好きな女性からは雑に扱われるのだ。

 

でも、もう失うものは何も無いから、これからは剥き出しの心で生きるしかない。

 

◯◯ちゃん、本当に傷付けて大事な時間を無駄にさせてしまって本当にごめんなさい。

 

でも、俺の人生では、あなた以上に俺を愛してくれる人はいなかった。

 

 

女性に本気で愛される気持ちを教えてくれて、本当に感謝してます。