殴り続ける愛情


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世の中はDVやモラハラを受けても別れられない人が多いと感じる。

 

普通はそんな目にあったら、ずぐに別れそうなもんだけど、そんな相手でも本人は別れようとはしない。

 

俺は暴力はなかったけど、暴言吐かれて嫌な事を長年盛り沢山に言われ続けたが、それでも相手を見捨てて離れることが出来なかった。本当に意味不明の使命感で毎日生きていた。

 

まるで地球の危機を俺が救うしかない!というアベンジャーズなみの使命感に突き動かされていたのだ。

 

自分の心の痛みを、相手から必要とされてるという愛情の痛みとして感じてたのかも知れない。しかし、本当に大事な人を痛めつけるなんてことは普通の人間はしないという当たり前のことが見えてなかった。

 

いや、見ようとしてなかった。

 

「そんなに暴力受けて、なんで別れないの?」

 

そう聞かれた女性は、

 

「でも、いつもそうじゃないんです!すっごく優しい時もある。殴った後に涙を流して謝ってくれる。私を本当に必要とししてくれるんです!」

 

ネット上で、こんなやり取りを見た。

 

この答えを聞いてた他の人は呆れ返っていたが、

 

俺の心は「分かるぅ〜!そうよね、必要とされるのが愛、これこそが生きるためのスパイスだ!」

 

そんな事を今だに思ってしまうのだ。

 

宗教団体の信者を家族が何回も家に連れ戻しても、そのたびに、また教団に戻ってしまう例に似てるかも知れない。

 

これこそが洗脳だ。

 

ある意味、何かの危ないプレーなのかも知れない。もちろん、暴言を吐かれたり、嫌な思いをしたら辛くて逃げ出したくなるんだけど、その暴言が終わって、その言葉をさっきまで言ってた相手から優しい言葉を言われ謝られた瞬間に、あっという間にそれまでの暴言全てを許せてしまうのだ。

 

我慢してたトイレに、やっと行けた時の状況に似てるかも知れない。

 

なんとも言えない開放感に包まれるのだ。言葉のご褒美を貰ったような気持ち。

 

しかし、その我慢が自分1人だけならばまだいい。子供がいた場合は自分だけじゃなくて、子供にまで理不尽な我慢をさせてしまう可能性が高いから、DVを受けてる場合は早い段階で第三者に相談するべきだ。

 

自分だけでの意思では簡単には逃げられない。

 

俺も親が介入してなかったら、今も助けようとしてた女性にお金を出し続けてた可能性が高い。いや、もしかしたら、もうこの世にはいない可能性も高い。

 

洗脳や暴力に関係した事件で「北九州監禁殺人事件」という有名な事件がある。

 

この事件の首謀者のМという人間はむちゃくちゃだ。脅迫と暴力、恐怖心によって人間をマインドコントロール下に置き、親族同士で殺し合いまでさせた。そして死体の処理を親族にさせていた。

 

この、人を殺させ死体の処理をさせることによって、それを弱みとして握り、それを元に自分の支配力を強力なものにしてたのだ。

 

さらに内縁の妻のお母さんや妹とも同時に肉体関係を持ち、暴力と愛欲を使ってのコントロールもしてた。

 

この事件では7人の人間が亡くなってるが、この男は自分では手を汚さず内縁の妻などに殺させ、死体の処理をさせるなどをしていた。人間は恐怖心を抱かせるとこんなことまでしてしまうのだ。いや、恐怖心だけじゃなくて、優しい面も絶対にあったはずだ。アメとムチはDV男の典型的な武器だから。

 

本当にマインドコントロールは怖い。

 

簡単には自分では抜け出せない。

 

今現在も配偶者や交際相手から、DVやモラハラなどで苦しんでる人がいたら、一刻も早く誰かに相談してほしい。

 

自分での答えの中に人に相談するや警察に相談するなどの選択肢を押しのけて、一番選びやすい答えは、

 

「私さえ我慢すれば…」に落ち着いてしまう可能性が高い。

 

精神医学の用語に「ストックホルム症候群」というのがあって、監禁や誘拐などの拘束下にある被害者が加害者と長く一緒にいることによって、加害者に共感したり、一緒に協力したり、さらに信頼して好意まで抱いてしまうという現象だ。1973年にストックホルムの銀行での二人組による強盗事件で人質4人に起こった現象で、そこからこの名前が付いた。

 

精神科医の言葉によると、事件が突然起こると、人質は頭で考えるのではなく、感覚的に自分は死ぬかも?と極限の恐怖心を抱くのだそうだ。

 

やはり、恐怖心こそが人間の自由を奪う最初の武器だというのが分かる。そして、今まで当たり前だった話すや体を動かす、そして食べることやトイレに行くなどの自由が突然奪われる。

 

さらに、そんな不自由な時間の中で犯人から食べ物を与えられると「命の贈り物」とまで感じるのだそうだ。

 

やはり、ここも何か怪しげなプレーのようだ。今まで虐げられてた自由が相手からの少しの優しさで開放され、それが喜びに変わる。

 

そして相手に好意を抱き、事件後に人質たちは犯人をかばい、警察の捜査に対しても非協力的な態度まで取った。

 

さらに、懲役10年の判決を受けた犯人がタイに移住すると、そこに人質の2人が訪ねて来た事もあったそうだ。

 

普通に考えたら、良い人間は銀行強盗などしないし、人質たちなど取らない。

 

だから、言えることは一緒にいるべき人間は愛する人に暴言を吐かないし、暴力も振るわないということだ。

 

今、DVで我慢してる人は愛されていない。

 

相手を殴り続ける人間の中にあなたへの愛情などない。

 

だから、一刻も早く離れるべきだ。

 

しかし、もしその行為が怪しげな夜のプレーの一環ならば、俺が口を出すべきものではない。

 

お互い燃え上がって、さらなる愛の境地を目指してほしい。