のんびり行こうよ、人生は


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タイトルの言葉は野比のび太の言葉だ。


シンプルだけど、良い言葉だと思う。

漫画「ドラえもん」での野比のび太は本当に気の弱いダメな少年だ。しかし、たまに良い事を言う。

将来の結婚相手のしずかちゃんがのび太と結婚した理由は、


「そばについててあげないと、あぶなくて見てられないから」


と、こんなことを言ってるが、結婚前夜にしずかちゃんは自分の父親からこう言われてる。


「あの青年は人の幸せを願い、人の不幸を悲しむことのできる人だ。それが1番人間にとって大事なことなんだからね」


この親子の言葉に、のび太という人間の全てが込められてる。

のび太はドジでダメな部分もあるけど、心が本当に優しい。

でも、勉強でもスポーツでも、のび太は人より覚えるのが遅れてしまい悩んでる。そんな、悩めるのび太ドラえもんはこう言ってくれるんだ。


「いいじゃないか遅れても、最後まで頑張れ!」


世の中は、みんなが成功者になんてなれない。


誰かが1番になったら、誰かはビリになってしまう。でも、それでも、前を向いて自分の道を歩くしかない。

のび太がテストで0点を取って落ち込んでると、担任の先生も励ましてくれる。


「過ぎた事を悔やんでも仕方ないじゃないか。目はどうして前についてるんだと思う?前向きに進んで行くためだよ」


そうだよ、出来ない自分を追い詰めてはダメだ。


絶対に1番にならなきゃならない人生なんてない。ビリにはビリなりの役目はあるし、精一杯やったなら仕方ないじゃないか。

落ち込んでる、のび太ドラえもんも、こう言ってくれてる。


「いちばんいけないのは、自分なんかダメだと思い込むことだよ」


でも、のび太のような人間は今の時代では本当に生きにくいと思う。今の世の中は、とにかく人より容姿が良くてお金も稼いで、人付き合いも上手く人脈も豊富な人間がもてはやされる時代だからだ。

でも、みんなが主人公にはなれないし、気弱な人間は自分の主張もなかなか強く言えない人も多い。


言葉は悪いけど、成功とは普通の人の夢の屍の上に成り立ってるものだと思う。


挑戦をし続けて夢敗れた人もいるし、自分の夢を誰にも言えず心に秘めたまま夢を諦めた人もいる。


俺の夢はなんだったかな…


確か、自分の好きな人を幸せにして、ずっと仲良く暮らすことだったかな?


決して大きな野望や輝かしい夢でもなく、普通の人が普通に叶えられる夢でしかなかったけど、俺はこんな小さな夢さえ叶えることは出来なかった。

こんなダメな俺にも、ドラえもんはこんな言葉で勇気づけてくれるはずだ。


「世の中は何かほしいと思ったら、そのためにそれなりの努力をしないといけない」


まさにその通り。ぐぅの音も出ない。


どうやら俺は、のび太よりダメな男だったようだ。


人を幸せにする方法として、俺はお金を貢ぐことしか出来なかった。お金に困ってる姿を隠そうともしない人に疑問も持たずに、出会って1週間も経たずに100万円以上のお金を貸した時から歯車が狂い始めた。


今思うと本当に馬鹿だ。


自分が逆の立場ならどうする?


赤の他人からお金を借りるか?


いや、その前にお金に困ってる姿を簡単に人に見せるか?


俺ならしない。


そして、大事な人が自分のせいで苦しんでるなら、自分からその人と離れる選択をするだろう。


自分ならと考えると、相手の行動に疑問を持つことばかりだったが、俺は素っ裸の自分には何も魅力がないと思ってたんだ。


だから、相手を幸せにするのも、相手を繋ぎ止めるのもお金を使うしかないと思っていた。


毎日、毎日、お金のことばかりだった。


こんな人生を長年歩んで来た俺だから、のび太の言葉が胸に突き刺さるんだ。

 

「のんびり行こうよ、人生は」

 

そうだね、もう何も残ってないから焦らず歩こう。

 

一番になれなかった人生にも明日は来る。